才能と努力と環境⑨

ブログを御覧いただきありがとうございます。

津軽三味線奏者の佐藤壽治です。

 

 

今日も環境のお話。

そろそろまとめに入るので、今日は生徒さんにとっては絶望的になってしまうような話になります。覚悟してください。

 

『子供の頃から、お腹の中にいた頃から聴いてますか?』

 

これに勝るものはない、と言ってもいいくらい良い影響を与えるものは『聴いている回数と種類』です。

 

上手も下手もどちらも飛びきりでなくてはなりませんが、何回も聞いている事がものすごい強みになると私は考えています。

 

上手なのはなんで上手なのか?

下手なのはなんで下手なのか?

感覚でわかるようになるんです。

 

自分自身もそうですし、自分の子供たちもそう。そして生徒さんの中には子供の頃から通ってるひともいて、そういう人たちも同じなんです。聞いてきたことが活きているんです。

 

『過去の偉人の演奏音源に触れたことはありますか?』

 

津軽三味線の神様といえば白川軍八郎が筆頭になりますが、名人と呼ばれる演奏家たちの演奏音源を聞いたことがありますか?

収録音源だけではなく、様々な場面のものを数多く聞いた方がいいです。

 

幸いにもわが家にはそういった音源が存在しています。若かりし頃から録音機器やレコードプレイヤーなどに興味があった先生のおかげで存在しているのですが、本当に勉強になるものばかりです。

 

現代の演奏家の方が優れている、なんて書いた評論家がいましたけど全く反対です。断言しますが、現代の演奏家の方が劣ってます。私はそういう現実に触れてみて、自分が目指す方向が決まりました。

 

まだまだ挙げられるのですが、これ以上挙げると生徒さんのやる気が深海に落ちていってしまうのでやめておきます。

 

お稽古とは積み重ね。

この真実を理解できれば前述の2項がいかに大事かわかると思います。

 

興味を持った時点から積み重ねは始まるのですが、時間の巻き戻しは出来ません。1日は24時間しかないですし、時間というものはどんな人にも平等に配られています。しかし、その時間をどう使ってきたのかは平等ではありません。

 

どこかが優れている、どこかが劣っているという物差しの目盛り、それは積み重ねた回数の違いではないかと思うわけです。

それも良い積み重ねをしているかどうか。

 

良い音を聴くのも積み重ねですから、師匠はいつも良い音を生徒さんに届けなくてはなりません。その努力を惜しんではいけません。しかし、その師匠でもどうにもできない部分が時間です。

 

「はやく始めた方がいいよ」という部分はこういう事なんです。

悩む前に始めてしまいましょ、の言葉の裏にはそういうことが隠されています。

 

時間という敵をどうやって打ち砕くのか。

それはまた明日の更新に・・・ではまた。