一門ってそんなもの

ブログを御覧いただきありがとうございます。

津軽三味線奏者の佐藤壽治です。

 

 

舞台に穴が開くことを避けるための代役、ピンチヒッター。

今日は公民館での演奏があります。

 

代役などの依頼は今まで考えても数える程度しかありません。

 

風邪をひいたり、交通機関が麻痺したり、現場へやむを得ず向かえない事象があった場合に、依頼主へのお詫びと依頼された舞台全体に迷惑をかけないように、あの手この手を考えて代役依頼をするわけですが、そんなに頻発することはありません。

 

しかし、いつでもそういった事態を想像していなくてはならないのも事実で、いろんな人との繋がりを普段から大事にしていなくてはならないのが舞台に関わる業界の鉄則だと思います。

 

道具の故障なども一緒ですね。

 

不測の事態に対しての準備をいろんな方面へと広げて考えなくてはなりません。

 

しかし、それを簡単に助けてくれる人や団体があります。

わたしはそれが「一門や流派」だと考えています。

 

 

何のために所属するのか?と最近は考える人も多いと思います。

楽しむ分には所属するという行動は必要ないと思います。

全ての責任を自分で背負って、対応できる範囲でこなしていれば問題など起きません。

 

 

 

しかし、「楽しむ」の延長上には必ずその人にとっての大舞台というか、果たさなくてはならない約束の舞台が出来てしまいます。想像しやすいものとすれば、友達の結婚式などでの演奏依頼なんかがそうではないでしょうか。

 

 

人との関りが強く出てくる舞台というものが必ずひとつは依頼されてくるものです。そして、それは断る事が出来ない事が大半です。そんな時に所属していない事が自らを窮地に立たせてしまう、という事もあるわけです。

 

 

 

その一門や流派の長や、高弟ともなるとそういった助け合いというか、面倒見というか、様々な対応を迫られることがあります。しかし、それが一門や流派の大事な役割であり、長や高弟となった今の立場になるまでには自らも助けてもらっているわけです。

 

誰しもが一人で上手くなったわけではありません。

誰かを参考にし、誰かに質問し、誰かに支えられてきたはず。

それを深く深く感謝し、お礼の念や恩返しの念を込めて対応すればそれでいいわけです。

 

 

恩返しして鶴が何か持ってきてくれるような世の中ではないのかもしれませんが、いつの世の中でも大事な心構えだと思います。

 

 

と、書きながらも。

本日は福井県・鯖江にある鯖江市文化センターに「木津かおりさん」が福井県民謡協会の舞台へゲストで来福されてます。

 

昨年の横浜にぎわい座で舞台を一緒に踏んだのですが、素晴らしい世界観をもったひとです。民謡に触れた事のある人も無い人も、木津かおりさんの世界をぜひ観て頂きたいと思います。

 

またなにか得られるだろう、と思っているのですが今日は代役を優先します。ざんねんな気持ちもありますが、一門ってそんなもんです。

 

代役がんばります!